4/05/2018

春が来てくれましたっ!

私の好きな詩のひとつにワーズワースの「わが妹に」というのがあります。

   わが妹よ
   こい願わくは
   朝げはもはやすみし故、
   急いで、朝の仕事を捨てて、
   来たって、春の陽を浴びよ。
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        ・
        ・
   書物をもつのは止めにして、
   今日一日を、のんびり暮らそう。
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        ・
        ・
   この片時の与えるものは、
   苦労な究理の幾年にもまさる。
   われらが心は春の霊を
   隅々にまで吸い込もう。
        ・
        ・

正に今朝の私の心境です。驚くほど長く、暗い冬がやっと終わった気がします。寒くても、暗くても普段はそんなに気にならず、それなりに楽しく一日を過ごしてきたのですが、今年だけは違いました。イギリス人の多くが、そういうイギリスの冬に見切りをつけて暖かい国に移住していく人を見て、「それでもまだ美しいイギリス」を信じている私にとっては??という気持ちでした。

ところが今年は流石の私も気が滅入ってしまう手前でした。イースターがやってきたのに、雪が降っているところもあり、太陽はイギリスを見放したか!と思うくらい。なるべくテレビでアフリカやオーストラリア付近の自然動植物の番組を見ながら自分をそこに置いて気を紛らせていました。

そして今日。なんと朝から雲一つない晴天です。これは家にいるのはもったいないと、ワーズワースの詩ではありませんが「今日自然から与えられたものを大いに楽しもう!これ以上に今しなければいけないことなんてないっ!」という気持ちになって野生の花を見に行くことにしました。お目当てはsnake's-head fritillariesです。お花のくせにチェックの模様をしたこの植物は辞書ではアミガサユリと言ってユリ科バイモ属のものだそうです。

せっかく車で1時間かけて行ったのに、咲いていません。野生動植物協会に電話したところ、今年は寒い日が続いて開花が遅れているとか。

すごくがっかりしましたがせっかくきたのだからと、帰り道は急がず時々車を停めてできるだけたくさん春を感じることにしました。写真を見ながら皆さんもイギリスの春に触れていただければ嬉しいです。































これを書いているときにお隣のロジャーさんが自分のアロットメントでさっき取れたばかりの今年初めてのルバーブを持ってきてくれました!これからルバーブクランブルを作ろうと思います。




急にやってきた春に少し戸惑いながらも体中で新しい季節を感じています。